話としては全く面白くはない。虐待を作者の想像で書き上げている作品。だが、この漫画に面白味というものは必要ない。人間としての人格形成に役立つ良作だと感じている。例えば営業トークでよく使われる第三者引用。この第三者引用によって人は成功した時のイメージが湧きやすく、人から薦められた事をその想像したイメージに向けて邁進する。
それと同様にこのマンガは虐待の悲痛な現実を物語っている。この漫画を読んだものは十中八九虐待はしないだろう。
虐待は何故起きてしまうのか。確かにサディストがこの世の中に何人もいる事は否定できない。しかし虐待している大半の親はそうではないだろう。
それは多くの親が虐待を躾として無意識に認識してしまっているからではないだろうか。虐待と躾のボーダーラインがはっきりしていない人が少なくないのだろう。故にこのマンガはそういう人にも虐待の明確な意味を享受するという意味でも良作だ。
この漫画は面白くはない。しかしそこらの面白い漫画よりも読む価値がある。面白いと価値がある事は相反している。前者は一時の娯楽に身を任せるもの。後者は間接的な人生経験として人生をより良くするもの。果たしてこのコメントを読んだあと前者を選ぶものは流石に居ないであろう。もし居たとしたら頑固な古い考えを持った稚拙な方なのだろう。そういう人はもう弁護しない。腐った人生を送ってくだせい。
面白さでは星1だが、人生をより良くするためのの漫画として星10。平均値を出して星5にさせてもらった。